プロの老舗そば屋が教える!【絶対に失敗しない・年越し蕎麦の美味しい茹で方】
2016/12/26
読者の皆さん、こんにちは!
毎年、師走(12月)になるとクリスマスや忘年会などのイベントで慌ただしくなりますね。
お蕎麦屋さんも同じく、一年で最大のイベントである大晦日の「年越しそば」に向けとてもせわしなくなります。
大晦日には多くのお客様が行きつけのお店、有名店、様々なお蕎麦屋さんで生そばを購入し、ご家庭で年越し蕎麦を召し上がりになると思います。
一年365日、大晦日の食事が「そば」である事は蕎麦屋としてとてもありがたく思います。
しかし同時に、蕎麦屋として、実は心配な事もあるのです。
お客様の今年一年の最後の食事を楽しんでいただけるように一生懸命作った蕎麦を、「皆さん、美味しく茹でられたかな」「美味しく茹でられて、また来年も買いに来てくれるといいな」、、、と。
なぜならば、蕎麦屋さんの生麺はスーパーや製麺所さんで売っている生麺と少し違うのです。
秒単位で蕎麦の固さが変わり、また繊細なので切れやすい。
お蕎麦屋さんで買った蕎麦を上手く茹でられなかったお客様もいらっしゃるかと思います。
そこで蕎麦屋が考えるご家庭で上手に茹でるコツなどを書き出してみますので参考にして頂けたら嬉しいです。
生そばの美味しい茹で方
用意するもの
- 大きめの鍋
- 大きめのザル(湯切り用)または持ち手のあるすくいザル
- 大きめのボウル(蕎麦を洗うため)
- 菜箸
- 良く冷えた水(蕎麦をしめる用、氷水でもOK)
※注意!
そば湯を飲まれる場合、鍋に入るサイズのザルが望ましいです。
またはお湯を切る時、ザルの下にボウルなどで茹でたお湯を受けてください。
茹で上げるザルと一体になっている大きめのパスタポットも代用できると思います。
茹でたそばは一秒単位でのびて食味が変わりますので、すぐに食べられる準備をしておきましょう。
蕎麦を盛る器、蕎麦つゆ、薬味のネギ・大根おろし・ワサビなど。
天ぷらなどをご用意される場合もそばを茹でる前に揚げておいた方が良いです
生そばを茹でる手順
1.
大きい鍋にたっぷりのお湯を沸かしながら、上記の準備をします。
ボウルにお水も入れておいて下さい。
2,
お湯がボコボコとしっかり沸騰したら生そばをお湯の中に。
■ポイント!
この時、そばを大量に入れないようにしてください。
お湯1.5リットルに対し一人前の生そばが目安です。
どさっと塊のまま入れるとそば同士でくっつきやすくなります。
ぱらぱら(さらさら)と麺をほぐしながらお湯に入れてください。
3.
そばをお湯に入れたら、菜箸で優しくほぐしていきます。そばをお湯に入れると温度が冷めてしまいます。
すぐに沸かせたほうが美味しく茹でられるので箸でほぐしたら蓋をして早く沸騰させます。
茹で時間は50秒〜1分30秒を目安に。
お店により様々な茹で時間なので、ぜひ購入の際に確認してみてください。
■ポイント!
菜箸で動かさなくてもそばがゆっくり回転するように、鍋の底に沈まないで浮いているとベストです。
火元を鍋の中心からずらし、外側に火を当てることによりそばがお湯の中で茹りやすい対流ができます。
コンロと鍋の大きさでできない場合もあるので気をつけてください。
吹きこぼれそうな時は煮立ちを止めない程度に火力の調節、または少量の水を差してください。
4.
そばをお湯からザルにとり、水を溜めたボウルに入れて洗います。
■ポイント!
茹で時間になってからそばをすくい始めると、すくっている時間分多く茹でてしまいます。
時間の少し前からすくい始めるとちょうど良く茹で上げられると思います。
洗っている水がぬるい時は一度ザルにあけ、もう一度水を張り、繰り返し洗います。
洗い方はそばを両手で挟み、優しくこすり合わせるイメージです。
5.
そばの「ぬめり」が取れたらザルにあけ、良く冷えた冷水または氷水をかけ、そばを締めます。
■ポイント!
この、「冷水で締める」という作業でそばのコシや口当たりが大きく変わります。
水気を切り、好みの器に盛りましたら、そばがのびる前にお召し上がりください。
温かいそばを食べる場合
冷たい汁(蕎麦屋さんで年越しそばについてくる汁)に、およそ1対1の割合の出し汁で割ったものを温める(お店により汁の辛さ濃度が違います。濃さはお好みで調節してください)
茹でたお蕎麦をお湯で温め、お湯を切った後にどんぶりに入れ、上記の汁を入れます。
お出汁の取り方はこちらを参照してください。
http://www.ninben.co.jp/katsuo/dashi/
そばが切れるタイミングは、
・2のそばを持つ時
・3の箸でほぐす時
・4の洗う時
の3箇所です!!
茹で時間と切れるタイミングに注意していただければ、より美味しくそばを召し上がっていただけるかと思います。
1年の締めくくりの年越し蕎麦、ぜひ美味しくお召し上がり下さい。
そして来年もお会いできますように。
【番外編】年越しそばの楽しみ方
「年越しそばだからこうやって食べなければいけない」
と、いう事には蕎麦屋歴20年経ても突き当らないので、要は美味しく「年越しそば」が食べれればいいのだと思います。
「王道」はもちろん蕎麦屋さんが心を込めて作ったそばつゆでそのまま召し上がるせいろそばですが、そばを美味しく食べれるバリエーションはたくさんありますよ。
薬味のバリエーション
- ワサビ
- ねぎ(長ネギ・わけぎ・九条ネギなどの薄い輪切り)
- 大根おろし(辛味大根も)
- とろろ
- きざみのり
- 七味
- 天かす(揚げ玉)
- 山菜ミックス
- 火を入れた肉類など(焼いた鴨肉が入った冷たい汁などお勧めです)
温かいつけ汁にする
年越しそばに付いてくる汁にお出汁を足してのばします。(9対1~8対2ぐらい)
お店により汁の濃度が違いますのでお好みで調節したてください。(※ベースの温かいつけ汁になります)
「※」の汁を鍋で沸かし煮る具材
- 鴨肉・豚肉・鶏肉など(脂身が美味しいものは汁に味が移り美味しいです)
- ワカメ・海苔などの海藻類
- 鶏卵・ウズラ卵など
- 野菜やキノコ類
- 柚子やスダチなどの柑橘類(香りが食欲をそそります)
- 冷たい汁にも温かい汁にも合うトロロ、大根おろし
- かんずり、七味、ゆずとうがらしなどの辛味系
- 組み合わせも良いと思います!
汁が余ったら
- 煮物や焼き物に
- 和風、中華スープなどの隠し味に
- 納豆やとろろの醤油の代わりに
- すき焼きやお鍋に足す時に
- たまごかけごはんのタレに
- ベースが醤油・味醂・砂糖でできているのでほとんどの和食に合うはずです。
【埼玉県版】美味しいお土産用の年越しそばが買えるお店(出前・配達含む)
※大晦日は「営業時間、通常営業、出前あり、または持ち帰りのみ」など各店舗により通常営業とは異なりますのでお電話にて確認をお願いします。
「自分で作ったり茹でている時間が無い」、「食べに行きたい・・、買に行きたいけど・・」という方にも作りたての年越しそばを食べてもらえるように「出前」もOKなお店もあります。外に出ることが難しいホームの方達や、年越しにお仕事をされている皆さんにも是非「年越し蕎麦」を!!
【本庄市】
■本庄たぬき 辻九
埼玉県本庄市若泉3-9-1
049 524 5654
【越谷市】
■そば うどん 朝日屋
埼玉県越谷市東柳田町4-13
048 962 3901 出前有
【白岡市】
■蕎麦とかふぇ処 さらしな
埼玉県白岡市小久喜1188-9
048 092 7191 出前有
【富士見市】
■砂場
埼玉県富士見市水子4217-1
049 253 0307
【蕨市】
■須賀家
蕨市中央1-2-1
048 431 2353
■やぶ砂
蕨市北町1-8-1
048 431 3190
■満留賀
蕨市南町4-35-1
048 441 5640
■やぶ栄
蕨市中央6-11-22
048 444 8950
■末ひろ
蕨市中央1-29-6
048 431 4207
【浦和】
■松栄庵
さいたま市桜区上大久保650-1
048 854 9124
■那須家宗庵
さいたま市南区関2-7-18
048 762 3806
■八海そば 松月庵 手打ちそばゆたか
さいたま市南区白幡3-15-1
048 863 2843
【鳩ケ谷・川口】
■満留賀
川口市里578-35
048 284 8811 出前有
■白雲
川口市八幡木2-28-24
048 281 6966 出前有
【ふじみ野】
■旭庵 甚五郎
ふじみ野市上福岡3-7-14
049 261 1274
【大宮】
■そば処 長山
さいたま市大宮区三橋1-159
048 651 0807
■ますだや
さいたま市見沼区大谷1782-3
048 684 3392 出前有
■満留賀
さいたま市北区土呂町1-2-5
048 667 5464 出前有
■吉敷末広
さいたま市大宮区吉敷町4-134
048 642 6105
■きそば 原口
さいたま市大宮区桜木町4-744
048 641 3718 出前有
【川越】
■禅味 はすみ
川越市小仙波町2-15-10
049 224 5240
■そば御膳 川越 むさしや
川越市福田121-1
049 222 7747
■朝日屋
川越市的場北2-22-6
049 231 1312 出前有
■川越 藪そば
川越市上寺山513-7
049 227 6641
■日乃出
川越市笠幡4885-5
049 232 2965
■寿庵喜多院店
川越市小仙波町1-2-11
049 225 1184
■百丈
川越市元町1-1-5
049 226 2616
【草加】
■大くら家
草加市長栄町1066-1
048 942 7007 出前有
この記事を書いた人
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埼玉県川越市の郊外で両親が創業した蕎麦屋を営んでいます。
料理人の気持ちのこもったお店や料理を探す、食べ歩きが大好きです。
ヒトサラのページ
http://hitosara.com/0002100566/
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