一冊のコラムとのご縁

      2016/02/09

一年前、祖母の葬儀に向かう途中に寄った蕎麦屋さん。

そこで頂いた一冊のコラムは、もともと仲間内に読んでもらおうと書き始めたとのこと。現在、蕎麦屋、うどん屋のみならず他の会社や団体からも欲しいと要望があるそうです。

これを読んだ時、自分一人でこれを読んでいるのはもったいないと思い、全国の青年会員が使っているFacebookページに投稿しています。

今回はその中から最近投稿した項を紹介したいと思います。

No31.   『繁盛パズル』

 

繁盛と言う枠を埋めるジグソーパズルのピースを捜す。

繁盛と言う枠に嵌め込むピースは形も大きさも色々である。

笑顔・清潔・美味しさ・スピード・価格など商売をしている間はこのような小片を繁盛と言う枠に嵌め込む作業を、ずーっとしていかなければならない。

いずれ繁盛のパズルが完成したかに思える。が、それもつかの間、すぐ世の中と言う枠が変わってしまう。

そしてまた、諦めずに変わってしまった枠に繁盛を目指して、その小片を嵌め込んでゆく。

 

必ずあるはずの完成を目標に・・それを繰り返す。

 

繁盛のピースとは主に、情報・知識・経験だと思う。多くの人達との交流の中で、見たり聞いたり、探したり、気づいたものを店に持ち帰り嵌め込んでみる。繁盛に少し近づいた頃、また枠が広がったり、突出したりする。

 

ここが実際のジグソーパズルと違うところだが、常に変わりゆく「世の中」を嘆いても仕方ない。またコツコツと小片を集め、広がった枠にピースを埋め込んでいくしかない。

その作業は大将が先頭に立ってやるしかない。どの店でも大将がリーダーである。

父親であり、主人でもあり、また業界の役員の人もいるだろう、こんな風に普通の大将はいくつかのリーダーを兼務するのだが、リーダーとはいただく人の側ではなく与える側を強く意識しなければならないと思う。

 

麺類組合の外部でよくこんな会話がある「組合に所属したらなんか良い事あるんですか?」

そんな時「何も良い事ないですよ、だから貴方が教えに来てくださいよ」と私は答える。

何か良い事あるんですか?は頂く側の論理で、私達は小なりとリーダーで与える側の人間です。組合に加入しても頂けるものがないと回答がきたならば「そうだろうな!お前たちでは仕方ないな、では俺が加入して君達に良い事、良い話しをしてあげよう」となぜ与えようと思ってくれないのですか?何かあるのか?と期待しいつまで頂く側の考え方をしているのですか?

人との交流の中で得るものが有るという人がいるが、頂く側である人の事は当てにならないし、まずあてが外れる。もちろん相手の都合もあるだろう。でも与えようと思って出席すれば、これは自分の事だからあてが外れる事は無い。何十人もの会合に出席するといつもプレッシャーはあるが、今はまず目の前の人、左右の人、時間があれば後ろの人、とまず四人に何かアピールしようと思い出席している。

四人くらいなら何とかなると思うと少し気が楽になる。自分を売り、屋号を売り、商売をしている地元をアピールして業界を宣伝する。

与えようと思えばいくらでもある。

世の中与えた人が頂けるという法則がある。抱っこした子におんぶしてもらえると思う。

抱っこもしないで「おんぶしてくれ」は虫がよすぎる。先に与えなかったら人は与えてくれない。

初詣に行っても先に賽銭を出し残りの三六四日を「よろしく」とお願いする。願い事は先払いである。

幸せになったから笑うのではなく、笑っているから幸せになれる。それを昔の人は「笑う門には福来たる」と言った。

 

私達は業界の名前も知らない先人達に抱っこされながら今日まで来れた。

先人たちがしてくれた事に感謝し、自分の役割を自覚しつつ、いつの間にか若い人達に背負われているような気がしてきた。

 

豊橋麺類組合 理事長

 

祖母の葬儀のため母方の実家である愛知県に行った時のことです。

豊橋辺りに入るのがちょうどお昼頃になりそうでしたので、どこか昼食をとれる良い店がないか考え始めた時。思い出したのは愛知県の副理事長(味噌煮込みの角丸・日比野さん)でした。

「どこか勉強になりそうな店を教えてくれるかもしれない」と、思い立ち連絡をしたところ、目的地の土田までコースから外れない繁盛店を紹介いただき、迷わずそこに決めました。

 

開店時間より少し早く着いたにも関わらず、すでに何台か車が停まっています。

広い店内でしたが、僕達家族が席に着いてほどなく満席になり順番待ちのお客様が並んでいました。すごい繁盛しています。

食事が終わり、そんな忙しい中でしたが紹介していただいたのに挨拶もせず帰るわけにはいかないので声をかけたところ

「よかったらこれ読んで」

と渡されたのがこの一冊のコラムでした。

葬儀から帰宅してすぐ、紹介していただいた日比野さん、コラムを頂いた原さんに連絡を取り、Facebookで皆さんに読んでもらってもいいでしょうかと伺ったところ

「たった一行でも若い方の参考になればこの上ない喜び」と電話の向こうで喜んでいただきました。

 

平日のお昼時。30台近く止められる駐車場に入りきらず、駐車場待ちができるほどのお店を経営される方とのご縁。そこに繋がるまでのいろんな人とのご縁に感謝です。

 

信州戸隠そば そば源

http://www.toyo84.net/sobagen/index.html

 

味噌煮込みうどんの角丸

http://www.kadomaru.com/menu.htm

 

この記事を書いた人

松本 英利そば御膳 むさしや  店長
埼玉県川越市の郊外で両親が創業した蕎麦屋を営んでいます。

料理人の気持ちのこもったお店や料理を探す、食べ歩きが大好きです。

ヒトサラのページ
http://hitosara.com/0002100566/

Facebookのページ
https://www.facebook.com/kawagoe.soba/?ref=bookmarks

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