蕎麦屋さんも、もちろん。「料理人」の皆さんに是非読んでもらいたい書籍を紹介します!

   

皆さん、こんにちは!

突然ですが皆さんは本を読まれますか?

最近はネットなどでいろいろ調べられるので本を読む方が少なくなってきたという話を耳にします。

僕個人としては比較的何でも読むタイプで、小説、エッセイ、経営学・・何でもその時の自分のアンテナにひっかかる本は買ってしまう性格です。汗

 

何故、「本を読みなさい」と言う人が多いのか。

「本は心の栄養である」とか

「読書は自分との対話」、

「読書で損をすることは万が一つもありえない」、などと言われている事が多いですが・・

 

 

自分でも説明できないのでネットで検索してみたところ、詳しく説明をされているサイトがたくさんありました。

『本を読む人と読まない人では見える世界が全く違う件』

『読書こそが最大の学びである8つの言葉』

『スマホ時間を読書に変えれば年収が増える?』

『なぜ本を読むことが重要なのか。一言で表現すれば、 そこには人類の叡智と苦闘が凝縮されているからです。先人がどうやって新しい知を開拓していったか、それをどうやって継承してきたか、そこにはどのような苦労があったのか、を知ることができます。本を読むということは、 古今東西の偉人・先人からマンツーマンの授業を受けるようなものなのです。』(名古屋大学のサイトより)

 

などなど・・

 

またその中で面白かったのが、自称サラリーマン投資家の方がホリエモンにTwitterで質問する話や、東京大学大学院教授が行った実験でした。

http://invests-vision.com/%E6%88%90%E5%8A%9F%E3%82%92%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB%E6%9C%AC%E3%82%92%E8%AA%AD%E3%82%80%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AF%E9%A6%AC%E9%B9%BF%E3%81%8B%EF%BC%9F%E3%83%9B%E3%83%AA%E3%82%A8-1327.html

 

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3592_all.html

 

その実験の中から教授の出した答えを抜粋

「トンネルを抜けると雪国であった」という一節を読むとき、まずは言葉を視覚で捉え、次にその意味を理解しようとします。

このとき脳は、どんな景色なのか、主人公はどんな人なのか、イメージを補おうと視覚をつかさどる部分が動きだします。

すると、過去に見た風景などの記憶をもとに、想像を膨らませ場面のイメージが脳の中に出来上がります。

読書による、こうした一連のサイクルが、想像力を養うことにつながると考えられています。

東京大学大学院総合文化研究科 酒井邦嘉教授

「読書と言っても、そういう言葉だけでは実はなくて、視覚的に映像を頭の中に想起するとか、過去の自分の体験と照らし合わせて対比して考えるとか、自分で得られた情報から更に自分で自分の考えを構築するというプロセスがはいってくるので、人間の持っている創造的な能力がフルにいかされることになります。」

 

ふむふむ・・・

 

すいません!

面白すぎて話の内容がそれてしまいました。

 今回、皆さんにご紹介したくてたまらない本!!

先日読んだ書籍なのですが、若くしてフレンチの世界に入り、渡仏。その後のありのままを文章にした一冊に感動しました。

読んでいると、目の前に情景や登場人物が現れてくるほど、すごく情熱的で愛情が込められた本です。

 

本を開いたプロローグから引き寄せられます。

フレンチのシェフでも蕎麦屋の旦那でも、志を持った人であれば気持ちは同じであると誰もが感じるはずです。

 

『経験が無くて波止場でドキドキしながら海を見つめている。海の向こうに一体何があるのかを、まだ知らない。海に乗り出したくてただウズウズしてるだけ。

・・・・そんな子の眼の中にも「あ、この子はきっとやるな」という印が、もうすでに浮き出ている』

 

目の前の若き旅人を見て、若い頃の自分、夢や未来を重ねる情景から入ります。

過去に同じようなスタートを切った人もこれからそのスタートを切ろうと思っている人も、

「がんばれ!」「お前なら行ける!」と応援したくなるはず。

小説やフィクションならば面白おかしくドキドキ、ワクワクさせられるのですが、いかんせん現実の話しとなればドラマのようにはいかないぜ?

と、思いきや。

じわじわと、ボディーブローのように効いてくる良い本なんです!

 

著者は三田のフレンチレストラン、コート・ドールの店主。「斉須政雄」さん。

ミシュランの星が付いたお店で何件も働き、見て、感じて、出会った人の数々のエピソード。

その時の心情や情景。振り返った時の気持ち。

基本的な事をわかりやすく、普遍的な事もその時の気持ちを添えながら。

また、これからの人達に向けた多くの言葉。

 

『若さというものは大事にしないともったいない。ほんとうの「生もの」という気がします』

『輝きは一瞬、愛されるのも一瞬・・・人間も食材も・・』

『常識はしょせん人間の作ったものだから、自分の常識を作ればいいじゃない?』

『レストランで何より重要なのは清潔度だ』・・

 

例に挙げた文章の前後を読まないとわからないと思いますが、多くの心に響く言葉が散らばっています。

 

「この人は本気でこの本を書いたんだ!」

着飾ることや惰性のない生の本音。

何回も読み返して、そう思いました。

 

Amazonのレビューもとても評価が高いです。

料理とは無関係な人たちもとても共感し、この本との出会いを喜んでいます。

そのレビューの中で、「斉須さんのはいいんだけど、ちょっと緊張感が張り詰めすぎ。こっちのほうがおすすめです」という本も読ませていただきましたが、僕はその本の何倍も斉須さんのこの本を勧めます!

 

何故か?

本来の仕事に対する気持ちと同じくらいの気持ちで、

読む人に対して、コート・ドールで出す料理と同じように、

この本をありのままの本音で書いたのだろうという想いが伝わるからです。

 

プロローグからあとがきまで、本当に読み応えのある一冊です。

僕は一度読み終わると、読み返すことは少ないのですがこの本は別格です。

 

是非、機会があれば読んでみてください。そして、その本が誰かの心の栄養になりますように。

【調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論】

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4344407717/ref=oh_aui_detailpage_o04_s00?ie=UTF8&psc=1

http://allabout.co.jp/gm/gc/216255/

この記事を書いた人

松本 英利そば御膳 むさしや  店長
埼玉県川越市の郊外で両親が創業した蕎麦屋を営んでいます。

料理人の気持ちのこもったお店や料理を探す、食べ歩きが大好きです。

ヒトサラのページ
http://hitosara.com/0002100566/

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