なぜ蕎麦屋さん(飲食店)には「たぬき」の焼き物があるの?

      2017/03/26

読者の皆さん、こんにちは!

蕎麦屋さん(居酒屋などの飲食店も)で「たぬき」の焼き物が置いてあるのを見た事ある人って多いのではないでしょうか?

今にもいたずらをしそうなニヤケ顔のぽっこりお腹、なぜだか笠を首にかけ、決まってお酒の徳利と帳簿を持っています。どこか憎めない愛嬌がある、あの「たぬき」です。

うちの店にも中型(80センチくらい)のたぬきさんが居ます。

稀ですが、大きな物では人の身長を超えるものも!

「だけど・・なんでどこのお店もたぬきの焼き物を置くんだろう?」

そんな訳で調べてみました!

 

どうして蕎麦屋さんに「たぬき」の置き物があるのか

 

検索すると、ずらっと並ぶ答え。

どうやら意外と歴史は浅く、昭和30年代に広まったそうです。

ある京都の陶芸家が信楽に移住し窯を構えてしばらくした夜。

たぬき達が輪になってお腹をたたくという珍しい光景を見たことにより、光明が差した陶芸家がそのたぬきのイメージをおもしろおかしくアレンジして置き物になったという話し。

 

かぶっている笠は「七難を笠で避ける」

大きな目は「目配りよく、遠くまで見通す」

お腹は「太っ腹」

徳利は「徳が身につく」

通帳は「商売繁盛」

そして「タヌキ」は「他抜き」という語呂合わせで「他の店を抜く」

そんなたくさんの意味合いを持っているそうで「縁起物」として瞬く間に全国中の飲食店に広まったという訳です。

 

それだけではなくこんな面白い質問・回答もありました!

 

「なんでたぬきの置き物は○○があんなに強調されてるの?」

 

確かに~!歌にもあるけどなんでだろう?笑

その答えには蕎麦屋と意外な関連があるとはつゆ知らず・・

 

「蕎麦屋とたぬきの繋がりは、金を薄く引き延ばす(金箔を作る)時に、タヌキの○○の皮を使用し、こぼれたり細かくなった金を集めるときに、そば粉を練った物を使ったと言われています。

その関連から、ソバ屋とタヌキがつながり、「金を集める」と言う意味でタヌキの置物を置くようになったとも言われます」

 

・・まさか、そんなつながりがあったとは驚きです!

もちろん今の時代はそんなことはしないと思いますが、とても面白い言い伝えです笑

 

 

以前、足利市の蕎麦屋さん巡りの記事を書いたのですが、隣町の館林にその「たぬき」との関わりが強い場所があるので寄り道してきました。

 

館林市 曹洞宗 茂林寺

 

日本昔話でも有名な「分福(ぶんぶく)茶釜」発祥のお寺です。

童話の世界が思ったよりも身近なところにあるんですね。

駐車場の看板には「たぬき」の説明書き。

参道には「たぬき」の置き物屋さんがずらり。小さなものから大きなものまで。

これだけ揃うと圧倒されます笑

ふと、思うのは時代に合わせているのでしょうか?最近のたぬきさんは可愛い顔のが多いのかな?

うちのたぬきはもっといたずらっ子みたいな顔をしているんだけど・・

 

境内に入ると、両脇にいろいろなたぬきさんが出迎えてくれます。

この時はお雛様の前だったので、なぜかそれぞれコスプレをされていました。

山門も古めかしくて・・「え?」なにかが左側に・・・いる!

 

大仏よりでかいたぬき。

しかもなんか怖いし・・

曇りの日の夕暮時なものだから余計ですね。

 

本堂の奥には「分福茶釜」が置いてあり拝観できるそうですが、今回は遠慮いたします汗

 

蕎麦屋さんの「たぬき」を見かけたらこんな所以を思い出していただければと思います。

この記事を書いた人

松本 英利そば御膳 むさしや  店長
埼玉県川越市の郊外で両親が創業した蕎麦屋を営んでいます。

料理人の気持ちのこもったお店や料理を探す、食べ歩きが大好きです。

ヒトサラのページ
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